「ふ〜ん、なるほどな。まあ、ざっくりお前の魔力量を見てみたけど、修行によっては今よりもっと魔力を高められる可能性がありそうだ」

「そ、それって?」

「俺との修行によっては、エクレールの魔力をまとえる時間が増えるってことだ」

「っ!」
 
じゃあブラッドさんとの修行によって、魔力を高める事が出来れば強い魔法だって扱う事が出来るんだ!

「と言っても、そんな直ぐに魔力が高くなるわけでもない。まず第一、魔剣の魔力をその身にまとうって事は、体にもそれなりの負荷が掛かるってことでもあるんだ。だからまずは、その負荷に耐えられだけの体作りをしないとな」
 
その言葉に目を瞬かせた時、ブラッドさんは凄く清々しい笑みを浮かべると、俺の肩をポンポンと叩いた。

「だから〜覚悟はしとけよ?」

「…………へ?」
 
いったい何の覚悟を? 

ふとそう思って横に居るカレンへ視線を動かした時、なぜか彼女はその【覚悟しとけよ?】と言う言葉に心当たりでもあるように、俺から目を逸してそっぽを向いていた。
 
そんなカレンを見た俺の頬に、冷や汗が流れたのは言うまでもない。
 
いったいどんな覚悟をしておけって言うんだよ……。

「でも修行はちゃんとつけてやるから安心しろ。お前たちには一日でも早く強くなってもらいたいからな。カレンやロキの修行だって見てやるよ」
 
と、そんなブラッドさんの言葉にカレンは、凄く嬉しそうに目を輝かせた。

ロキも自分の事まで見てくれるとは思っていなかったようだけど、ロキはロキで小さくガッツポーズをしている。

「そして、ソフィア。お前はまず魔人の本来の魔力である共振を使いこなせるようになるんだ」

「共振を?」

「お前も知っての通り、共振の力は魔人族の魔力そのものだ。当然、その力は恐ろしいものだし怖いものだ。その力に囚われる可能性だってある」

「……っ」
 
ブラッドさんの言葉にソフィアは瞳を揺らす。

しかしソフィアは拳に力を込めると、覚悟を持った目でブラッドを見据えた。