「ありがとう、ございます。なるべく、そうはならないようにするつもりです。……どうかエクレール様をお願いします」
 
その言葉に俺とソフィアは顔を見合わせて頷いた。

「お〜い、話しは終わったのか?」
 
すると俺たちの後ろの方では、ロキとカレンが俺たちの事を待っている。

そしてそんな二人の直ぐ側では、竜騎士たちが待機していて、いつでも六月の岬へと向かえる準備が整っていた。

「リュシオル。みなさんのことをよろしくね」

「はい、姉上。無事に送り届けると約束します」
 
リュシオルは右手を軽く上げると、竜騎士たちに合図を送る。

「それでは参ります。みなさんはそれぞれ竜騎士たちの後ろに乗ってください」
 
頷いた俺たち最後にもう一度、ザハラの方へと向き直る。

「それじゃあ。また――」
 
俺たちは竜の島――ラスールを後にしたのだった。