こんなみっともない俺を見られるわけには行かないんだ!

「頑張れよ……俺! こんなことしてる場合じゃないだろ!」
 
そう自分に言い聞かせながら、俺は体に力を込めて立ち上がる。

「もう少しなんだ……あと少しで、お前に会える」
 
頬に流れる涙を拭って、光の失った左目を浮かべた。

「お前ともう一度会えるんだったら、俺は……何だってすると決めただろ」
 
そう、アレスたちはそのための駒に過ぎないんだ。俺の願いのために働いてもらうだけの存在なんだ。

「エアの願い? そんなこと知るか」
 
右拳に力を込めて俺は青空を見上げた。

「俺はお前のトトなんかじゃない。俺は【オフィーリアのトトだ】!」
 
そう力強く叫んだ俺は青空を睨みつけた。
 
絶対にお前の願いなんて叶えない。俺は俺だけの願いを叶えるんだ。
 
オフィーリアが笑って幸せになれる世界を作るために、俺はあの時覚悟を決めたんだ。

例えその隣を歩けなくなったとしても、彼女が笑顔で暮らせていけるなら、俺はそれで良いんだ。