ヴェルト・マギーア ソフィアと竜の島

「星の涙を体内に宿した者は、必然的にこの世界のエアと呼ばれるようになる。それに星の涙だけじゃ、トトを探し出せないから。だからその権利を主に委ね、主が【この人がトトです】と認めてしまえば、誰でも簡単にこの世界のトトとして認められるってわけだ」

「ちょっと物騒な話ね。誰でも簡単にこの世界のトトになれるなんて知ったら、その星の涙を巡って争いが起こってもおかしくなかったんじゃないのかしら?」

「……っ」
 
テトの言葉にブラッドさんは表情を歪めた。その様子にテトは目を細めると更に言葉を続けた。

「これはあくまで私の推測なんだけど、もしかしてその星の涙は彼女の命でもあったんじゃないかしら?」

「っ!」
 
その言葉にブラッドさんは目を丸くし、そしてテトへと視線を動かす。

「エアがこの世界を作り変えるために差し出したのが自分の寿命。それがもし彼女の最後の願いが叶うまで続いていたとしたら、そのオフィーリアって人の寿命も少なかったんじゃないかしら?」

「や、辞めてください! テト!」
 
するとテトの話を黙って聞いていたカレンが声を上げた。その姿に俺たちは驚く。

「あら、何をやめろって言うのかしら? 私は気になった事を彼に問いかけただけなんだけど? それがいけないって言うのかしら?」

「そ、それは……」
 
カレンは力を込めていた拳を解くと、テトから目を逸した。そんなカレンを見て軽く息を吐いたテトは、ブラッドさんへと視線を戻した。

「どうなのかしら?」

「……そうだよ」
 
ブラッドさんは辛い表情を浮かべると話し出す。