ヴェルト・マギーア ソフィアと竜の島

「あの、星の涙って?」
 
星の涙なんて言う雫の話しは魔法書でも読んだことがないし、聞いたこともなかった。

それにブラッドさんが言う【膨大な魔力を秘めた雫】という事は、きっとそれは誰でも欲しがったに違いない物だ。

だからエアの末裔たちはそれを守るために姿を隠したのか。

「星の涙はエアが内に秘めていた雫とも言われており、実際それを使ってエアとトトたちはこの世界を作った」

「えっ! じゃあその星の涙の魔力を使って、エアたちはこの世界を作ったって言うんですか?!」

「ああ、そうだ」
 
この世界を作り上げてしまうほどの魔力……。そんなもの全く想像がつかない!

「その星の涙をオフィーリアは体内に宿していたんだ」

「っ!」
 
そんな膨大の魔力を秘めた雫なんて、たった一人の人間の体で維持出来るものじゃない! 

そんな物を体内に宿していたら、体が保たなくて死んでしまう。

「体内に宿していたと言っても、星の涙の魔力はもうほとんど残っていなかった。この世界を作る時に内に秘めていた魔力の殆どを使ってしまったからな。でも星の涙は、エアが最後に願った願いを叶えるために、主として器に選んだ物の魔力を微力ながらに吸収していっていた」
 
するとブラッドさんは悔しそうに唇と噛むと、右拳に力を込めていた。

その姿に首を傾げた時、ブラッドさんは自分を落ち着かせるために深呼吸すると口を開く。

「エアが最後に願った願いと言うのが、【この世界のトトを探して欲しい】というものだ。そしてそのトトを選ぶ権利を持っていたのが、星の涙を体内に宿していた彼女――【この世界のエア】だったんだ」

「ちょ、ちょっと待ってください! この世界のトトを探して欲しい?! だってトトはあっちの世界で闇の存在を封じ込めているんじゃないですか? それにそれを決める権利を持っているのが、この世界のエアだなんて……」