ヴェルト・マギーア ソフィアと竜の島

レーツェルさんにさっき、【ブラッドさんが出産中です】と言う話を聞いた俺たちは、ザハラを連れて慌てて遺跡へと向かった。
 
そのままアルさん達に案内されるがまま、俺たちは遺跡の地下へとやって来た。

「遺跡の中に……こんなところがあったなんて」
 
どうやらザハラも知らなかったみたいで、地下のあちこちに目を配っている。

それにしても地面と天井が思ったよりも離れているな。

地面から天井までだいたい人間三十人分ってところか?

これくらいなら竜の一匹くらい簡単に通れるんじゃないのか?

「この先だ」
 
アルさんはそう言うと先へと歩いて行く。そんな彼の後ろを、俺たちは慌てて着いて行く。

「なあ、カレン。お前はザハラの家に残った方が良かったんじゃないのか?」
 
後ろの方では、カレンを心配したロキがそう言っている。

しかしカレンはその言葉にそっぽを向いた。

「これくらい平気です。それに私は……先生に会いたいので」

「あ、会いたい……?!」
 
カレンのその言葉にロキはなぜか頬を引きつらせる。

「あらあら、これはロキにとって最大のライバルが現れたんじゃないかしら?」

「最大のライバル?」
 
テトのその言葉に俺は首を傾げた。

「そうだ、テト。ムニンはどうしたんだ? さっきから姿が見えないけど」

「ムニンなら一人で考えたい事があるって言ったきり、戻ってきていないわよ」

「そ、そっか」
 
そこで俺はあの時のムニンの姿を思い出す。