ヴェルト・マギーア ソフィアと竜の島

そして自分の力の無さに心底腹を立てただろう。

ソフィアは俺が絶対にそうなると思っていたから、魔法陣の事を言わなかったんだ。

俺に……自分のせいだと思ってほしくなくて。

「でも安心して下さい」

「えっ?」
 
レーツェルさんはアルさんから離れると、そっと俺の手を取って告げる。

「ソフィアさんの魔法陣は、ブラッドが私の力を使って綺麗に消しました」

「……ブラッドさんが?」

「はい。彼女の体に熱がこもっているのは、共振の魔力が元の流れを取り戻しつつあるからなんですよ。ですからきっと直ぐに目を覚ますと思います」
 
その言葉を聞いた途端、俺の目に涙が溢れて頬を伝った。

その涙は何度拭ってもボロボロと頬を伝っていき、俺はその場に膝から崩れ落ちた。

「……っ!」
 
嬉しい、悔しい、感謝など、様々な感情が巡って、俺は声を押し殺して泣いた。

これでようやく……ソフィアは開放されたんだ。
 
あの辛い状況から……ようやく。

そう思ったら涙が止まらなかった。泣かずには居られなかった。

ブラッドさんのおかげでソフィアは救われたと同時に、俺自身も救われた気がしたから。
 
そんな俺の背中を、レーツェルさんは優しくそっとさすってくれていた。