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「くそ! くそ! くそ!!」
せっかく肉体を手に入れたと言うのに、あの男のせいで手放す羽目になってしまった。
まさかこの島にあの女が居るなんて……誤算だった。
「まあ……でも本体のオイラがここに来ているなんて、誰も思っていないだろうな」
今この場にあの男の姿はない、あの魔人の女を物にするなら、今が絶好のチャンスという事だ。
オイラはニヤリと笑みを浮かべながら、魔人の女が寝ている部屋へと侵入する。
するとオイラの気配を感じとったのか、魔人の女の側で寝ていた黒猫が起き上がって口を開いた。
「この子にいったい何のようかしら?」
その言葉に少々驚いたものの、どうやら粒子の姿になっているオイラの姿は見えないようだ。
「たかが黒猫ごときが、この暴食の悪魔様であるオイラを止める事なんて出来ないぞ」
そうぶつくさ言いながら、魔人の女の側に寄った。
こうして見ると、顔立ちはエレノアと瓜二つだな。
本当に可愛くて、今直ぐ食べてしまいたい。
「そんじゃ……いただきま」
『おい……』
大口を開いて魔人の女を食べようとした時だった。
直ぐ背後に聞き覚えのある声が聞こえたオイラは、開けた口を直ぐに閉じた。
そして恐る恐る後ろ振り返ると、そこにはあいつが立っていた。
「な、何でお前がここにいやがる!」
この女と同じく翡翠色の短髪に、鋭く細められる薄緑色の瞳。
しかし体は透けて見える。という事は、本体ではないのか?
「なんだ、お前体がないのかよ? そんな状態でオイラを倒すていうのか?」
『……ああ、そうだ』
そう言うと奴は俺の体を右手で掴んだ。
「くそ! くそ! くそ!!」
せっかく肉体を手に入れたと言うのに、あの男のせいで手放す羽目になってしまった。
まさかこの島にあの女が居るなんて……誤算だった。
「まあ……でも本体のオイラがここに来ているなんて、誰も思っていないだろうな」
今この場にあの男の姿はない、あの魔人の女を物にするなら、今が絶好のチャンスという事だ。
オイラはニヤリと笑みを浮かべながら、魔人の女が寝ている部屋へと侵入する。
するとオイラの気配を感じとったのか、魔人の女の側で寝ていた黒猫が起き上がって口を開いた。
「この子にいったい何のようかしら?」
その言葉に少々驚いたものの、どうやら粒子の姿になっているオイラの姿は見えないようだ。
「たかが黒猫ごときが、この暴食の悪魔様であるオイラを止める事なんて出来ないぞ」
そうぶつくさ言いながら、魔人の女の側に寄った。
こうして見ると、顔立ちはエレノアと瓜二つだな。
本当に可愛くて、今直ぐ食べてしまいたい。
「そんじゃ……いただきま」
『おい……』
大口を開いて魔人の女を食べようとした時だった。
直ぐ背後に聞き覚えのある声が聞こえたオイラは、開けた口を直ぐに閉じた。
そして恐る恐る後ろ振り返ると、そこにはあいつが立っていた。
「な、何でお前がここにいやがる!」
この女と同じく翡翠色の短髪に、鋭く細められる薄緑色の瞳。
しかし体は透けて見える。という事は、本体ではないのか?
「なんだ、お前体がないのかよ? そんな状態でオイラを倒すていうのか?」
『……ああ、そうだ』
そう言うと奴は俺の体を右手で掴んだ。



