ヴェルト・マギーア ソフィアと竜の島

『今からこの島に広がる黒い粒子を浄化します』

「そ、そんな事が出来るんですか?!」

『はい。わたくしの能力は黒い粒子を浄化出来る力ですから』
 
じゃあその力を使えば、黒い粒子を浄化する事が出来るんだ!

『さあ、参りましょうか』

「ああ!」
 
俺はエクレールを構えて、ヨルンへと向かって行くブラッドさんの背中を見つめた。
 
そしてこの時の俺は知らなかった。俺自身の瞳が紅く染まっていたことに。

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「さあ、レーツェル、アル。いっちょうやりますか!」
 
二人はその言葉に反応すると、それぞれの刀身を輝かせる。

「聖剣レーツェル、炎剣アムールよ。汝たちの願いと思い、その絆と共に我に力を貸し与え給え」
 
その言葉と共に、俺の右目が碧眼の瞳へと変化する。

「ふん……いくら強力な魔法を放とうとも、この子たちは全ての魔法を喰い尽くします。あなたでもこの黒い粒子たちを止める事は出来ませんよ?」

「……おいおい、お前まさか知らないのか?」
 
俺は剣に魔力を注ぎながら、ヨルンへとその言葉を投げ掛けた。言葉の意味が分かっていないヨルンは目を細める。

「確かにその悪魔は無限に魔力を食らい尽くす。しかしそんな黒い粒子たちでも、食べ尽くす事の出来ない魔力があるって、知らなかっただろ?」

「なにっ?!」
 
するとヨルンの周りを漂っていた黒い粒子は、俺から発せられる魔力の存在に気づくと、一斉に言葉を発した。

「タ、ベル! タベ、ル! タ、ベ、ル! タベルタベルタベルタベルタベルタベルタベルタベル――」
 
うっわぁ……気持ち悪いな。

やっぱりこの魔力には誰よりも敏感に反応するのか。
 
黒い粒子たちの急な反応に、ヨルンは何が起こっているのか分からず、困ったように黒い粒子たちに目を配った。

「おい、一体どうしたんだ! 僕の声が聞こえないのか!」
 
その言葉に俺はニヤリと笑った。