✭ ✭ ✭
僕は何も知らなかった。いや、知ろうと思わなかったんだ。
最初から僕は勝手に、親父の事を恨んで、憎んで、心から嫌っていた。親父の気持ちを知ろうともせず。
あの時、僕がちゃんと周りに気を配れていたら、何か違った変化に気づけたのかもしれなかった。
どうして母上が、自分を捨てた親父の事を悪く言わなかったのかも、どうして親父が俺を迎えに来たのかも、ちゃんと話を聞いていたら、何かが違っていたのかもしれない。
母上を殺したのだって親父じゃない。
きっと自我を失った兎人族のせいなんだ。いや、そもそもの原因が黒い粒子なんて言うものを引っ張り出してきたヨルンだ。
「っ!」
これは兎人族のせいでも、親父のせいでも誰のせいでもない。
俺は黄緑色の目を細め、涙を流しながらその瞳にヨルンを映した。
「お前だけは……ぜってぇに許せぇね!」
そう言いながら立ち上がり、俺は左腕を変形させる。
「てめぇは絶対に許さねぇ!」
その言葉にヨルンはニヤリと笑みを浮かべた。
✭ ✭ ✭
「ムニン! 今のお前じゃ無理だ!」
「でも! こいつだけは!」
ムニンの体に広がる黒い痣は、ムニンの半身まで来てしまっている。そんな状態でムニンを戦わせるわけにはいかなかった。
「お前……黒い粒子にやられたのか?」
ブラッドさんはそう言うとムニンの体を凝視する。
「……おかしいな」
「お、おかしいって何が?」
ブラッドさんは剣を一旦、地面に突き刺すとそのままもう一度ムニンの胸倉を掴んだ。
そしてそのまま、両手を使って力強くムニンの服を引き裂いた。
「なっ!」
その拍子に来ていたワイシャツのボタンが飛び、ムニンの体が露わになった。
『まあまあ! あの人大胆なことをするのですね』
「いやいや! そんな事言っている場合じゃないでしょう!」
突然の出来事で、顔を真っ赤にしているムニンは、口をパクパクさせながらブラッドさんを見る。
しかしブラッドさんは、そんなムニンを他所に体を凝視しながら目を細める。
僕は何も知らなかった。いや、知ろうと思わなかったんだ。
最初から僕は勝手に、親父の事を恨んで、憎んで、心から嫌っていた。親父の気持ちを知ろうともせず。
あの時、僕がちゃんと周りに気を配れていたら、何か違った変化に気づけたのかもしれなかった。
どうして母上が、自分を捨てた親父の事を悪く言わなかったのかも、どうして親父が俺を迎えに来たのかも、ちゃんと話を聞いていたら、何かが違っていたのかもしれない。
母上を殺したのだって親父じゃない。
きっと自我を失った兎人族のせいなんだ。いや、そもそもの原因が黒い粒子なんて言うものを引っ張り出してきたヨルンだ。
「っ!」
これは兎人族のせいでも、親父のせいでも誰のせいでもない。
俺は黄緑色の目を細め、涙を流しながらその瞳にヨルンを映した。
「お前だけは……ぜってぇに許せぇね!」
そう言いながら立ち上がり、俺は左腕を変形させる。
「てめぇは絶対に許さねぇ!」
その言葉にヨルンはニヤリと笑みを浮かべた。
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「ムニン! 今のお前じゃ無理だ!」
「でも! こいつだけは!」
ムニンの体に広がる黒い痣は、ムニンの半身まで来てしまっている。そんな状態でムニンを戦わせるわけにはいかなかった。
「お前……黒い粒子にやられたのか?」
ブラッドさんはそう言うとムニンの体を凝視する。
「……おかしいな」
「お、おかしいって何が?」
ブラッドさんは剣を一旦、地面に突き刺すとそのままもう一度ムニンの胸倉を掴んだ。
そしてそのまま、両手を使って力強くムニンの服を引き裂いた。
「なっ!」
その拍子に来ていたワイシャツのボタンが飛び、ムニンの体が露わになった。
『まあまあ! あの人大胆なことをするのですね』
「いやいや! そんな事言っている場合じゃないでしょう!」
突然の出来事で、顔を真っ赤にしているムニンは、口をパクパクさせながらブラッドさんを見る。
しかしブラッドさんは、そんなムニンを他所に体を凝視しながら目を細める。



