「僕の家は昔から竜人族の巫女の付き人だったらしく、僕もそうなるように幼い頃から言われて育ちました。だから僕も、巫女を側でサポート出来るように必死に努力して、何でもこなせるようにして来たんですけど、いざザハラ様に付いてみたら、色々違ったと言うか」
「どう違ったって言うんだ?」
「あの人……エーデルが居ないと何も出来ないんですよ? 全てエーデルに頼りっぱなしで、泣き虫で、弱虫で、直ぐに何かあったら僕に泣きついてきた時もあったくらいで」
「それは子供だったから、仕方ないんじゃないのか?」
でも俺から見て今のザハラは、民たちから慕われる立派な巫女に見える。
完璧な存在とまでは行かなくても、彼女は彼女なりに巫女として十分任を全うしていると思う。
「はあ……あなた達に言ったところで、どうせ僕の気持ちなんて理解出来ないですよ。だから、全てやり直そうとしたんです」
「や、やり直す?」
「そうです」
すると氷の中に閉じ込められていた黒い粒子たちが、自分たちの体を閉じ込めている氷の魔力を食べているのか、ガタガタと氷の中で動き始めた。
その様子を見て俺の頬に汗が流れる。
「僕が理想とする巫女を作り上げるためには、この島や他の種族なんて邪魔なんですよ。だから黒い粒子を使って、まずは真夜中の森の精霊たちをこの子たちに食べてもらったんです」
「な、に……」
「この子たちは普段空気中に漂う普通のマナなんですけど、精霊を食べるとこんな風に真っ黒な粒子になって、今まで存在しなかった意識が芽生えます」
するとヨルンの周りに黒い粒子たちが集まり始めた。その光景に俺たちは目を見張った。
「どう違ったって言うんだ?」
「あの人……エーデルが居ないと何も出来ないんですよ? 全てエーデルに頼りっぱなしで、泣き虫で、弱虫で、直ぐに何かあったら僕に泣きついてきた時もあったくらいで」
「それは子供だったから、仕方ないんじゃないのか?」
でも俺から見て今のザハラは、民たちから慕われる立派な巫女に見える。
完璧な存在とまでは行かなくても、彼女は彼女なりに巫女として十分任を全うしていると思う。
「はあ……あなた達に言ったところで、どうせ僕の気持ちなんて理解出来ないですよ。だから、全てやり直そうとしたんです」
「や、やり直す?」
「そうです」
すると氷の中に閉じ込められていた黒い粒子たちが、自分たちの体を閉じ込めている氷の魔力を食べているのか、ガタガタと氷の中で動き始めた。
その様子を見て俺の頬に汗が流れる。
「僕が理想とする巫女を作り上げるためには、この島や他の種族なんて邪魔なんですよ。だから黒い粒子を使って、まずは真夜中の森の精霊たちをこの子たちに食べてもらったんです」
「な、に……」
「この子たちは普段空気中に漂う普通のマナなんですけど、精霊を食べるとこんな風に真っ黒な粒子になって、今まで存在しなかった意識が芽生えます」
するとヨルンの周りに黒い粒子たちが集まり始めた。その光景に俺たちは目を見張った。



