ヴェルト・マギーア ソフィアと竜の島

「ヨルンさんがこう言っていました。ここから東にある森が黒くなっていると」

「黒くなっている?!」

「それだけじゃないんだ! 突然村の人たちが暴れだして仲間を襲っているんだ」
 
その言葉に俺は目を見張った。
 
東の森が黒くなっている? 村に居る竜人族たちが突然暴れだして、仲間を襲っている? いったい何が起こっているんだ!?
 
俺たちの話を聞いていたテトは目を細めるとロキに問いかけた。

「ロキ。ムニンはどこに行ったのかしら?」

「あいつなら、ザハラと一緒に村の様子を見に行っている。時期に帰って来るはずだけど」

「そう……」
 
テトの様子を横目で伺いながら、俺は二人に目を戻す。

「とりあえず俺たちも行こう。何が起こっているのか分からない以上、ここでじっとしているわけにも行かない」

「そうだな」
 
俺の言葉に頷いた二人は、先に部屋から出ていく。

「テト。ソフィアのこと任せても良いか?」

「ええ、気をつけなさいよ」
 
テトの言葉に頷いた俺は、二人の後を追って部屋から出て行った。そして誰も居なくなった部屋でテトが一言。

「【黒い粒子】が……とうとう来たのね」
 
そう呟いていたのだった。

✩ ✩ ✩

「アレス!」
 
村へ向かっている途中で、こちらへ戻って来ていたムニンとザハラに合流した俺たちは、二人に問いかけた。

「村の様子はどうだった?」

「最悪だ。我を失った竜人族たちが仲間同士で殺し合っていやがる」

「そんな……!」
 
俺はじっと村を見つめているザハラに問いかける。