ヴェルト・マギーア ソフィアと竜の島

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「お願い……サファイア。みんなを……ソフィアを……助けて下さい!」

牢屋の中で意識を失う寸前、私はサファイアに願った。

決してその声が届く事がないと知りながらも、私はそう願うことしか出来なかった。
 
気がついたら私の手の中にサファイアの存在はあった。

いったい何時どこで手に入れたのかも、どこで見つけたのかも記憶がない。
 
でもそんな私の側に居た先生は事情を説明してくれた。

「お前は今日から魔剣サファイアの主だ。そしてお前は、八人の内の守護者の一人になった」
 
と。
 
魔剣とはどういう存在なのか、守護者とはいったい何なのか。

幼かった私はそれを理解するのが難しかった。
 
でも年齢を重ねていく内に守護者としての自覚や、自分がやるべき使命をやり遂げる、と言う思いが次第に強くなっていった。

だから誰よりも剣を磨き、先生から氷結魔法を教わった。
 
日に日に強くなっていく気がして、そろそろ魔剣サファイアの魔力を使ってみようと思った時だった。

「今のお前じゃ、魔剣サファイアの魔力を完璧に使いこなす事は出来ないぞ」
 
そう、先生に言われたのだ。
 
最初はその言葉の意味が分からなかったけど、先生の言う魔剣の力を完璧に使いこなすと言うのは、魔剣と自分の意識を一つにすること。

つまり、魔剣サファイア自身の魔力をその身に纏うことだった。
 
現在、魔剣の存在はサファイアとマールの二本しか確認されていないと言うが、本当は既に五本確認されていた。

しかし魔法協会はその事を知らない。
 
知っているのは私とマールの持ち主であるセイレーン、そして私の師でもある先生だけだ。

その内の二本を先生は所持しており、常にその身に魔剣の力を身にまとっていた。
 
そんな先生を私は心から尊敬していたし、早く先生の力になりたくて、私はサファイアの魔力をまとえるように必死に頑張った。