ヴェルト・マギーア ソフィアと竜の島

見開いた瞳はさっきの紅色とは違い、海のように透き通った碧眼の瞳へと変化を遂げる。

俺は右目と右手の中にある剣に魔力を注いでいく。

「急がないとな」
 
魔力を注いだ剣の切先を、目の前の大扉に向かって軽く突き当てる。

するとその魔力は大扉に彫られた魔法陣へと流れ込んでいく。

『本当にこの先に居ると言うのですか?』
 
頭の中に女性の声が流れ、その言葉に俺は軽く笑みを浮かべた。

「ああ、必ず居るはずだ」
 
そう、この先には俺が求めている者が必ず居るはずだ。

今回の事件は、その者でなければ解決へと導かせる事は難しい。

『間に合うと良いけどな』

「……ああ」
 
徐々に開かれていく大扉を見上げながら、ザハラたちの住む村の姿を思い出す。

「急がないとこの島でもう直ぐ……殺し合いが始まる」

手遅れになんてさせない!

間に合わなかったなんて思ってたまるか!

「もう、後悔はうんざりだ……!」

そう思った時、脳裏に白銀の髪を持った彼女の後ろ姿が過った。

「絶対に約束は……守るから」
 
完全に開かれた大扉の中へと足を踏み入れ、俺の姿は光の中へと消えていった。