今思えば、人生の節目節目はいつも雨だった。もっと言ってしまえば、学校の行事関連もほとんどが雨。高校の時の同級生に、強力な「晴れ女」がいて、高2の修学旅行は奇跡的に晴れたことがあった。
でも、運動会も遠足も、野外活動も文化祭卒業式も、私のせいなのかいつも雨ということが多かった。
私が雨女だということは高校生あたりには自覚があり、それを友達に言って笑ってもらうことで深く考えることはなかった。
成人式や会社面接も、とにかく雨。
それでも何故か雨は嫌いじゃなかった、昔は。
敬佑くんに出会ったのも、雨の日だった。
私はその日、自分だけでは処理できない思いを抱えていて、泣きながら運転していた。
一人暮らしをしつつ3年かけて貯めたお金で、車のことには詳しくない私がアレコレ中古自動車店を巡って、なんとか一括で買ったコンパクトカーを運転しながら、雨の中帰路についていた。
数日前から車を走らせるとキュルキュルという甲高い音が鳴るのは気になっていたのだけれど、そのうち点検に出そうと思いながらも実行しないでいたのだ。
そうやって面倒なことを先延ばしにしていた私が悪かった。
悲しい。
悲しい理由は分かっていた。
だから涙が止まらない。
私はこれからもずーっとこの長いトンネルを歩いていかなければならないのかな。
ぼんやりそんなことを考えていたら、車内に聞こえていたキュルキュルという音が突然大きく鳴り始めた。
さすがに車を路肩に停めて、雨が降るなか車の周りをぐるっと歩いてみる。
しかしながら車に詳しくない私には、何が原因であんな甲高い音が鳴るのか判断するのは難しかった。
さすがに涙も引っ込んだ。
車を降りた私は、傘を持っていなかったので左手で額のあたりに心許ない雨よけを作り、意味もなく車の下を覗き込んだ。
当然のことながら、原因なんて車の下を見たくらいでは分かるわけがない。ど素人の私にはどうにも出来ないことは分かっていた。



