「うん、後の楽しみにとっておく」 それでも、名残惜しそうに倫子の体の線をなぜている。 倫子はその手を押しやった。 「どこに行く予定なの?」 二人してこんなにおしゃれをするということは、レストランに食事だろうか。 「丘にハイキング」 「雪の中?」 「雪の中」 にっこりと笑う。 「お楽しみ。 さ、行こう」 10センチのピンヒールで雪の中、ハイキングって? 殺す気か。 倫子は胸の中で毒づく。