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あたしのお姉ちゃんは6歳年上の23歳。


高校を卒業後OLとして働いている。


スラッとした体型で手足が長く、綺麗な顔をしている。


働き始めてから何人かの男性に告白をされているらしいけれど、その度に『今は仕事に専念したいから』と言う理由で断っているそうだ。


そんなサオお姉ちゃんを見て羨ましいと思う事は多々あった。


サオお姉ちゃんは言いにくい事でも人に言えるし、それがあだとなって人に嫌われた事もない。


話方が上手だからか、人に恨まれえるということがあまりないのだ。


それに比べてあたしはいつも愛想笑いばかりだった。


友達に嫌われたくない。


そんな気持ちが一番最初に来てしまい、なかなか自分の意見を口に出す事ができずにいた。


「サユ、お茶飲む?」


あたしが新聞を読んでいるとサオお姉ちゃんがそう声をかけてきたので、あたしは顔を上げた。


新聞に没頭している間に時間は刻々と進んでいたようで、気が付けば7時だ。


サオお姉ちゃんは着替えを終えてお母さんと一緒に朝食の準備をしている。


「ありがとう」


あたしはサオお姉ちゃんからお茶を受け取り、一口飲んだ。


暖かさがジワリとお腹の中に広がって行くのがわかった。


「着替えて来る」


あたしはそう言い、立ち上がったのだった。