あたしと夏は一か月間手紙のやりとりをしていた。


だけど本当は一か月間サオお姉ちゃんと友太さんに騙されていたんだ。


夏から手紙が届いた時の嬉しさを思い出す。


『過去ポスト』は本物だったのだと思い、夏を救えると本気で思っていた。


毎日毎日、夏が生きていた時に起こった出来事を書いて、未来からの手紙だと信じてくれるまで頑張った。


それが、全部全部偽物だったんだ!!


悔しくて、悲しくて、情けなくて、涙が次々と溢れ出していく。


あたしはこの一か月間一体なにをしてきたんだろう?


一人で喜んで、一人で舞い上がって……バカみたい。


サオお姉ちゃんと友太さんはそんなあたしを見て楽しんでた?


毎朝コソコソと会っていたのだって、『あたしは新聞を取りに行っていただけよ』と、あたしに思い込ませるためのものだったに違いない。


本当は友太さんと笑ってたんだ。


夏からの手紙が来たって本気で信じて込んでいるあたしのことを、笑ってたんだ!!