夏の手紙を読み終えたあたしはしばらくその場から動く事ができなかった。


ほとんど放心状態で手紙を握りしめていた。


あたしには夏を助ける事ができないんだろうか?


もう一度、最初からやり直しだ。


脳裏に『過去ポスト』が過った。


そうだ、書かなきゃ。


夏に手紙を書かなきゃ。


一か月前からでダメなら、二か月前から出せばいい。


それでもダメなら、もっともっと前から手紙を出せばいい。


そうすればきっと、夏は海に行くことを諦めてくれるはずだ……。