《なぁサユ。


なんで俺があの日を選んだのか、お前知ってるか?


俺がお前を呼び出したあの日は、俺の誕生日の1日前なんだ。


16歳になる前に、どうしてもお前に伝えたいと思った。


知ってるか?


人の考えていることなんて刻一刻と変わっていくもので、とても儚いものなんだよ。


例えばそうだな、晩ご飯にチャーハンが食べたいと思っていたのに、いざ店に行くとラーメンの方がいいかなって思うのと同じ感じだ。


あれ? この話、いつだったかお前にした気がする。


まぁ、いっかそんな事。


つまりな、伝えるタイミングを逃せば自分の気持ちまで無くなってしまうものってあると思うんだ。


だけど、俺の中で1つだけ、ずっとずっと変わらない感情があったんだ。


誕生日の前日、あの海で伝える予定だけれど、万が一サユの言った通りになったしたら……そうなった時の為に、この手紙に書いておこうと思う。


俺はサユが好きだ。


ずっとずっと、好きだ。》