やっぱり、サオお姉ちゃんは何かを隠しているようだ。


いくら社会人と言っても、新聞が届くより前に起きて身なりを整えるなんておかしいと思っていた。


そんなことが毎日続いていれば、嫌でも異変に気が付く。


「新聞配達の人と話をしてるの?」


そう聞くと、サオお姉ちゃんはハッとしたように目を丸くしてあたしを見た。


あたしサオお姉ちゃんの次の言葉を待つ。


「そ、そうね……」


なぜだかしどろもどろになって返事をするサオお姉ちゃん。


もう23歳なんだから恋人くらいいても不思議じゃないのに、おかしいと感じるくらい挙動不審だ。


「毎日、どんなことを話してるの?」


「もう、子供のあんたには関係ないでしょ?」


そう言うとサオお姉ちゃんは逃げるように自室へと向かってしまったのだった。