真っ白な封筒に入っている便箋も、可愛げのない真っ白なものだった。

だけどそれは普段手紙なんて書かない夏らしさを感じられた。


『サユへ』


そう書かれた出だしにあたしの心臓はドクンッと大きく跳ねた。


間違いなく、これは夏の字だった。


一文字ずつを流すように書いているし、筆圧が弱い。


所々読めない箇所があるくらい下手な字をしている。


その文字を見てあたしはまた涙が滲んできた。


懐かしさがあふれ出し、心が温かくなるのを感じる。


「もうちょっと綺麗な字で書いてよ」


あたしはそう呟いて涙ぬぐった。