ベッドの上で大きく深呼吸を繰り返した。


夏のあの時の夢を見るのはこれで何度目だろうか?


全身が汗でびっしょり濡れていて、頬には泣いた後が残っている。


あたしたちが高校に入学した夏の日、夏は帰らぬ人となった。


あたしに『戻ったら伝えたい事があるから』と言った夏は、突然の大波にさらわれて行ってしまった。


それから1年。


あたしは今、高校2年生の17歳になっていた……。