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翌日。


あたしはベッドの上で新聞配達のバイク音を聞いていた。


バイク音が家の前で止まり、パタパタと階段を下りて行く足音が聞こえて来る。


そろりと玄関を出ていくサオお姉ちゃんの様子が目に浮かんできた。


毎日遅くまで働いているのに、毎日新聞を取りに行くサオお姉ちゃん。


もしかして、郵便配達の人が知り合いなのかもしれない。


もしかして、彼氏だったりとか?


ベッドの上でぼんやりとそんな事を考える。


しばらく家の中は静かで物音ひとつ聞こえてこなかった。


その後玄関が開閉する音が聞こえて来て、サオお姉ちゃんがリビングへと向かう足音が聞こえて来る。


新聞を受け取りだけにしては、長い時間外にいたことになる。


やっぱり彼氏かなぁ。


あたしはそう考えて、寝返りをうったのだった。