「夏! 戻ってきて‼ 夏!」


夢とは思えないくらい大きな声が出て、自分自身でも驚いた。


ハッとして夏の反応を見る。


あれだけ大きな声を出したのに、夏には届かない。


「夏……!!」


あたしの声はパドリングを始めた夏には聞こえない。


やがておおきな波が迫ってきて、あたしは飛び起きたのだった。