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それからあたしはいつも通りお母さんの作ってくれたお弁当を持ち、家を出た。


自転車にまたがり、途中までは学校への道を進む。


ひと通りが少ない事を確認すると、あたしは脇道へと自転車を進めた。


高校に入学してから学校をサボるのは初めての事で、朝から心臓がドキドキしていた。


家族には気が付かれないようにしていたつもりだけれど、うまく演技ができたかどうかわからなかった。


それでも、もう後戻りはできなかった。


あたしはそのまま学校とは逆方向へと自転車を進める。


途中で公園のトイレにより、用意していた私服にも着替えた。


ここまで用意周到にサボる準備をしていた自分に、今更ながら驚いてしまった。


だけど、罪悪感よりも早く『過去ポスト』を見つけたいという気持ちの方が買ってしまっていたのだ。


トイレから着替えて出てくると、丁度公園の前に白い車が停まったところだった。


それは昨日友太さんに送ってもらったのと同じ車だった。