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翌日。


早い時間に眠りについたあたしはバイク音で目を覚ました。


スマホで時間を確認すると昨日と同じくらいだと言う事がわかった。


新聞か……。


そう思い、上半身を起こす。


昨日冷たい海に入ったけれど、友太さんに助けられた後すぐ温まったから体は大丈夫そうだ。


あたしはそっと部屋を出て階段を下りて行く。


他の家族を起こさないように新聞を取りに行くつもりが……。


カチャッと音がして玄関が開いたので、あたしは階段の途中で立ちどまった。


「サオお姉ちゃん……?」


「サユ。今日も朝早いのね」


新聞を片手に持ったサオお姉ちゃんがそう言った。


これも昨日と同じで、あたしは何度か目をこすった。


「サオお姉ちゃんも、今日も早いね」


そう言いながら姉妹そろってリビングへ向かった。


まだ誰もいないリビングでお姉ちゃんは新聞を開いた。


「会社へ行ってからじゃ新聞も読めないもの。朝少し早起きをして読むことにしたの」


「そうだったんだ。でも、昨日も帰りは遅かったんでしょ?」


「まぁね。でも11時くらいには帰ってきてるし、そのまますぐに寝たらこの時間くらいには起きれるよ」


そういうものなのか。


あたしはそう思い、サオお姉ちゃんの言葉を特に気にすることはなかったのだった。