「わかってても探したいんだな?」


「……そうです」


あたしはまた頷いた。


怒られて馬鹿だと笑われても仕方がない事だった。


17歳にもなって何をしてるんだと、きっと呆れられてしまうだろう。


だけど男性は違ったんだ。


「偶然だな、俺も探してるんだ」


そう言ったのだ。


あたしは男性の言っている言葉の意味がわからなくて、瞬きを繰り返していた。


「今、なんて……?」


「俺も探してるんだよ。『過去ポスト』をな」


冗談だと思った。


この人は初対面のあたしをからかって遊んでいるんだと。


「夢物語だってわかってる。だけど、どうしても伝えたい事があるんだから、それを信じて探すしかないだろ?」


「……本当、なんですか?」


あたしはおずおずとそう質問した。


「あぁ。初対面の俺が君にこんな嘘を必要がどこにある?」


そう聞かれると答えられなかった。


嘘をつく必要なんて、どこにもない。


「そういえば、名前をまだ聞いてなかったね」


男性にそう言われてあたしはハッとした。


そうだ。


助けてもらったのに自己紹介もしていなかった。


あたしは居住まいをただし男性を見た。


「星野サユです」


「俺は友太。サユちゃん、よかったら俺と一緒に『過去ポスト』を探さないか……?」