すべての授業を終えて放課後になった時、あたしは1人で教室を出た。


友人たちから遊びに行こうと誘われたのだけれど、今日は1人でやりたいことがあったのだ。


自転車にまたがり学校を出るとあたしはすぐに街中へと向かった。


『過去ポスト』と言うのは普通のポストと色合いが違うため、一見するだけで気が付くそうだ。


つまり、こうして自転車を走らせながらでも探す事ができるということだった。


自分の街に『過去ポスト』があるかどうかなんてわからないけれど、まずはできる範囲で探す事に決めたのだ。


こんな事誰かに言えばきっと笑われてしまうだろう。


だから1人で探す事に決めたんだ。


『過去ポスト』が実在していると思っているワケじゃない。


あるはずがないという気持ちの方が強いくらいだった。


だけど、万が一あったとしたら?


万が一、ただの都市伝説なんかじゃなかったとしたら?


その思いをぬぐいきる事ができなかった。


少しでも可能性があるなら、『過去ポスト』を探してみたかったんだ。