事ができるんじゃないか?


半ば本気でそんな事を考えていた。


「サユ、なんかボーっとしてない?」


友人の友香にそう聞かれてあたしはハッと我に返った。


「そ、そうかな?」


笑顔を浮かべて首を傾げて見せる。


「さっきから全然話題にも入ってこないじゃん」


「あはは、ごめんね。今朝ちょっと食べ過ぎちゃってお腹が苦しくてさぁ」


あたしはそう言いながらスカートを緩めた。


友香に『過去ポスト』の事なんて言えなかった。


そんな事を真剣に話せばきっと笑われてしまうとわかっているから。


ネットで流れている情報なんて、どうせデマだ。


あたしだって頭ではそう理解していた。


でも……。


友人たちと笑いあう中、あたしはどうしても『過去ポスト』の事を忘れられずにいたのだった。