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「お会計、2560円になります」
本屋で保志君に選んでもらったのは、英語と数学の参考書・計二冊。
中身が乏しい財布の中から会計を済ませると、もう小銭しか残っていなかった。
うぅっ……。高過ぎる……。
自分で言い出したとはいえ、手痛い臨時出費に心がへこむ。
でも、私のために、一生懸命保志君が選んでくれたんだから!
普通なら面倒なはずなのに、嫌な顔ひとつせず付き合ってくれた保志君。
各参考書のいい点、悪い点を、丁寧に解説までしてくれた。
「エヘヘ」
紙の袋に入った参考書を、ギュッと抱きしめる。
確かに高い買い物だったけど、保志君の優しさの塊(かたまり)でもある。
そう思うと、胸がほんわか温かくなった。

