「真咲さんは、将来何になりたいの?」
保志君からOKの返事をもらい本屋へ向かう途中、早速聞いてほしくない質問をされてしまった。
どうしよう。そんなの深く考えてなかった。
保志君としては、参考書を選ぶ参考にしたかったのだろう。
確かに選ぶ側としては、せめて理系か文系かくらいの予備知識は欲しいに違いない。
英語に関わる仕事に就きたい。
以前はそう思ったこともあったけど……。
現実問題、母子家庭の我が家には私立大学へ行く余裕もなければ、自力で国立大学へ行く知力もない。
悩んだ末私は
「保志君は何になりたいの?」
逆に聞き返すという荒技に出た。

