桜舞い散るとき、キミは涙する


いいの?

本当にそれでいいの?

本当に、もう二度と会えなくても、それでいいの!?



そんなの……いいわけない!!



「っ!?真咲……さん?」

「はぁっ……はぁっ……」


気が付くと私は夢中で保志君を追いかけ、彼の服の裾をつかんでいた。



「どうしたの?」


驚いて目を丸くしている保志君。


「あの!じ、実は参考書が欲しいんだけど、どれがいいかわからなくてっ」


息があがる中、口から飛び出した咄嗟のウソ。


「その……よかったら、一緒に選んでもらえませんか?」



なんでこんなに必死になるのか。

なんでこんなに別れがたいのか。

自分でもわからない。



だけどそんな私にも、たった一つだけわかることがある。



それは『保志君と、もっと一緒にいたい』ということだった。