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キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを告げるチャイムが、教室に響き渡る。
あれ……?もう放課後……?
寝ぼけまなこでゴシゴシと目元をこする私。
結局昨夜はなかなか寝付けず、おかげで今日の授業は一日中半寝状態。
「実~紅!一緒に帰~ろ」
そんな私とは対照的に、元気いっぱいの佳奈が軽快な足取りで駆け寄ってきた。
「うん……」
「あれ?実紅、具合でも悪いの?」
いまだボーっとして覚醒しきれない私に、佳奈が心配そうに首を傾げる。
「ううん、ちょっと寝不足なだけ」
「寝不足って……。あ!どうせ夜遅くまでテレビでも見てたんでしょ~」
「アハハ。まぁ、そんなとこ」
まさか
『昨日会った彼のことが気になって寝られなかった』
なんて、特に佳奈には口が裂けても言えない。
「やっぱりね~」と頷きながら佳奈が納得していると、なにやら他の女子が楽しげに騒いでいる声が聞こえてきた。
「ねぇねぇ!正門のところに、秀明館の男の子がいるんだって!」
「うっそ、マジで!?」
「しかもメッチャイケメンらしいよ!!」
「え~!?見たい!!」
キャ~キャ~と黄色い声をあげながら、バタバタと教室を出て行く女の子達。

