駅に着いたら、たった今電車から降りてきた麻里奈ちゃんと鉢合わせた。



「こんにちは、芙祐ちゃん。最近よく会うよね」



麻里奈ちゃんはお嬢様高校の生徒。

ワンピースタイプの制服とその上から指定のコートを着てる。

鞄を持つ手を替えるのも、なんか上品。



「麻里奈ちゃん、ちょっといいかな」



「うん?なぁに?」


ツヤのあるセミロングの黒髪が、風で揺れる。

乱れた髪を直しつつ耳にかける姿も、また上品。



……ヤヨの好きだった人。


うん、可愛い。
本当に可愛い。
でも見とれないから。意地でも。




「あのね、聞きたいことがあって」



「やっちゃんのこと?」



「あ、うん。そう」



本当はバストサイズ、とは言えない。


でも聞きたいことはいっぱいある。
ヤヨを攻略したいからね、あたし。



「なんでもどうぞ」


麻里奈ちゃんはにっこり笑う。


んーと、なにから聞こう。


あ、そうだ。