ー21:30

○○倉庫内。



三日月の明かりは薄暗く、倉庫の明かりも心許ないぐらいの明るさ。
まだ、王寵の連中は来ていない。
ボロボロの屋根の隙間から見える夜空。


この匂いと空気感
目を閉じると鮮明になる5年前のあの出来事
手を握る力が強くなる。



俺は…復讐者の狼月
野々宮戒じゃなく…一匹狼の狼月



ーカツコツ…カツコツ
 静かな倉庫に響く複数人の足音


閉じていた目を、ゆっくりと開き体を音の聞こえる方へと向ける。