少しよろけるだけ。


「家じゃお母さんやお父さんもストレスをぶつける相手が居ないから私に手を出してくるんだよ!早く帰ってこい!」


そうだったんだ…

どーせ帰らなくても両親が自分の権力を使って探すだろう。


亜希が居なくなった場所を見つめてそう思う。

やっと痣が消えてきたのにな…

1度帰らないとあの人たちの気は済まないだろう。

1回ボコボコにしたら1ヶ月は持つだろう。


「1度帰るか…」

誰も居ない体育館裏に私の声だけが静かに響く。