おでんを美味しく食べ、片付けをし、二人でソファーに座ってのんびりする。


「お昼寝はした?」

「二時間くらい寝ましたよ」

「よかった」


伊波くんの目の下のクマが消えて、充血もすっかりおさまっている。


「資料は無事発表できました?」

「無事発表できました」

「よかった」

「伊波くんのおかげだよ。もうほんと伊波くんいてくれてよかった」


ありがとうと拝んだ私に、ふふふ、と柔らかに笑った伊波くん。


「何かある?」

「今度キッシュ食べたいです」

「分かった」

「明日は目覚ましセットしないで、好きな時間に起きましょうか」

「お昼まで寝呆けそう……全然起きなかったらどうしよう……」

「まあ、お昼まで寝呆けちゃっても、たまにはいいじゃないですか。疲れは取らないと駄目ですよ」

「そうだけど、せっかくの休日なのに無駄にしちゃった悲しみで大変なことになりそう」

「起こしましょうか。僕はお昼寝してますし、多分麻里より早く起きますよ」

「じゃあ十一時、……十時半になっても寝てたら起こして欲しいです」


十一時でもいいですよ、とくすくす微笑まれる。


「いいの、十時半にするの」

「十時半ですね、分かりました」


伊波くんは笑いながら了承してくれた。


何故だかどんどん重なる恥ずかしさに若干拗ねつつ、ゆっくり息を吸って、視線を床に落として、小さく呟く。


「……あと今日は早く寝よう」


ひときわおかしそうに笑った伊波くんが、はい、麻里、と頷いた。