プロポーズは金曜日に

……よし、メイク終わり。


伊波くんがもし扉の前にいたら危ないので、「扉開けるよ」と一旦声をかけてから、少し開けて、いないのを確認してもう少し開けた。


「遅くなるなら迎えに行きますよ?」


ソファーでくつろぐ伊波くんに首を振る。


「大丈夫、そこまでは遅くならないつもり……ならない予定。でももし遅くなったらお願いするね」

「はい。そうしたら、ついでにコーヒー買ってもいいですし」

「そっか。伊波くんの方はそろそろなくなるもんね」


二人ともコーヒーをよく飲むので、コーヒー豆は専門店で買うことにしている。


お気に入りのコーヒーショップは私の家の近くにあって、こじんまりしているんだけど、手広く揃っている素敵なお店。


ただ、伊波くんの家と私の家は一駅分離れているから、伊波くんがそのコーヒー店に頻繁に出向くのは難しい。


私が買っておいて伊波くん家に泊まるときに持ってきたり、伊波くんが私の家に泊まるときに一緒に買いに行ったりして補充している。


朝昼晩、間食、おやつで毎日飲むと、結構すぐになくなるんだよね。