プロポーズは金曜日に

口元の緩み具合を鑑みるに、完全に熟睡している。


……そうだよね。寝ててよかった。


いつも十一時に寝るもんね。ほんとごめん。


しかも早朝にタイマーセットしてもらっちゃったし、多分伊波くんの方が先に起きるし。


さらに近づいて気づいた。


……うわあ、伊波くん枕元にスマホ置いてるじゃないか。タイマーセットしてるよね、これは。


確実に、私が寝ぼけて中央の目覚まし時計をとめたとき用ですよね。


「…………」


自分が今回、迷惑しかかけていないことは分かっていたんだけど、やっぱり目の当たりにするとへこむ。


ごめん伊波くん。


……お、お昼寝とか……お昼寝とかしてください……ほんとごめん……。


そろりそろりと電気を消して、そろりそろりとベッドの右側に上がる。


私のスマホのタイマーも六時十五分にセットして私側の枕元に置いたら、ごとん、と大きめの音がした。


「まり……?」

「っ」


起こしちゃったかな!?


伊波くんの身じろぎに慌てて静止する。


うるさい心音を聞きながら、息を潜めて伊波くんを凝視したけど、やっぱり熟睡している。


……大丈夫か、よかった。


よかったんだけど、伊波くんの寝顔を見る度に、申し訳なくて大声で謝りたくなるのは深夜のおかしなテンションのせいだと思うから、いい加減寝よう。


これ以上寝ぼけたら、騒音で伊波くんを起こしかねない。


伊波くんを起こしてしまう前に、と、急いで隣に潜り込んで眠った。