プロポーズは金曜日に

ひたすら黙々と作業をし。


伊波くんはすでにご飯を食べ終わっていたから、お風呂に入ったり、片付けをしたり、すぐに寝られるようにベッドを整えてくれたりして。


たとえばソファーでテレビを見たり読書したりというような娯楽は一切楽しまないで、一緒に向かい側に座って、ずっと資料を作成してくれていた。


まだ期限は先らしいんだけど、私はその方が寝にくいって知っているから。


かたかた、かたかたと、キーボードを叩く音が重なる。


「ごめんね」

「いいえ」


かたかた、かたかた。


「麻里。麻里」

「うん……はっ、ごめんありがとう!」

「コーヒー飲みますか」

「うん……のむ……」


かたかた、かたかた。


「……あ、計算間違った……!」

「手伝います?」

「だいじょぶがんばる」


かたかた、かたかた。


何度か眠気覚ましのコーヒーを入れてもらい、何度かかくん、と意識が飛び、その度に起こしてもらった。


そして、深夜零時をとっくにすぎた頃。


「おおおぅわったあああ……!!」


ついに資料を作成し終わって、何度も見直しをし、きっちりかっちり保存して。


私は怪しい呂律でガッツポーズを決めたのだった。