プロポーズは金曜日に

伊波くんはそういうところがすごい。そういうところが好き。


期待を裏切りたくない。


でも、たとえ馬鹿なところを見せても、迷惑をかけてしまっても、受け入れてくれると知っている。


この人が好き。この人を愛している。

この人の前では格好つけたい。

この人の前ではちゃんとしたい。

この人の前では綺麗でいたい。

この人に好きだと言われたい。


……この人に、尊敬される私でいたい。


そう思える相手が伊波くんでよかったと、いつも考える。


私は、伊波くんがいてくれるから頑張れていると、よく実感する。


伊波くんの優しい笑顔が、穏やかで律儀な全てが、私の背筋を伸ばしてくれる。


「……っ、は……」


荒い吐息で肩を上下させながら。


伊波くんが好きだなあと、当たり前のことを当たり前に思い返すみたいに、思った。


「おかえりなさい、麻里」

「た、だいま……!」


後ろ手に扉を閉めた伊波くんは、おかえりなさい、ともう一度言って、柔らかに笑った。