かち合った瞳があんまり真っ直ぐで、あんまり艶やかで、あんまり妖しげで。


ああ綺麗だ、なんて何度目か分からないことを考えた。


腰が砕けちゃって体に力が入らない。


違和感を感じてからやっと遅まきに状況を認識して、はっとする。


「伊波くん。それはやめてね」

「……そう、ですよね。すみません」


お、の口をしていた伊波くんに慌てて言い募れば、一瞬固まって、しょんぼり眉を下げて口を閉じた後、元の伊波くんに戻った。


とめると分かっているのに言おうとしたのは、私がこの俳優さんが好きなのを知っているからだろう。


それは分かる。伝わってる。


同じように、私がどうしてとめたのかなんて、多分伊波くんもこれくらい分かってるだろう。


だけど一応言っておきたくて、考え考え口を開いた。


「ものとか言わないで。分別のある大人なんだから、人を指してものなんて言ったら駄目じゃないかなあ、なんて」