プロポーズは金曜日に

伊波くんは、淡白なのでも、冷たいのでもないと思う。


あっさりしているというよりは、私を一人の大人として扱ってくれて、線引きをしてくれている。


パーソナルスペースを犯しすぎない代わりに、態度と言葉で示してくれる。


たとえば今回みたいに、クリーニングを取りに行くのに付き合って欲しい、というような。


……こういうふとした甘え方に、いつも少しだけ、将来を思い描く。


結婚したらきっとこんなふうに暮らすんだろうな、と明確に。


恋人みたいな甘い甘いデートばかりではなくて、生活感の滲む、パートナーっぽさのあるお出かけ。

綺麗なところ、かっこいいところばかりじゃない現実味。

わきまえた距離感。

揃い慣れた呼吸。

把握済みのお互いの予定。


そういう細かな部分を含めて、私は伊波くんが好きだ。