「……泊まるつもりで来たんだけど、駄目、でした、か……？」


思わず尻すぼみになる。


あんまりびっくりして丁寧語で質問したら、ぶんぶんぶん、と伊波くんが高速で首を振って否定した。


「ど、どうぞ泊まってください！」

「あ、うん。はい。ありがたく泊まります」


どうやら、先週泊めるつもりでいたのに私が帰ったものだから、もしかして今週もか、と身構えたらしかった。


……何だそれ。何だそれ。伊波くん可愛すぎか。


……くっそう、めちゃくちゃ可愛い。

可愛い。私の彼氏可愛い。


口元を隠してニヤつく私に、伊波くんがおずおず切り出した。


「……あの、麻里」

「ん？」

「すみません」

「んーん」


気にしないでの意味を込めて、にっこり笑って首を振るも、しょんぼり眉を下げる伊波くん。


「何か、ありますか？」


……お。