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アサヒが私の前に現れてから、実に数週間もの時が過ぎようとしていた。


あれ以来、彼は姿を見せず。


代わりに私の前に現れたのは……



「私は何も知りません」


「いや、でもねえ君……」


「私を閉じ込めたのは、本当に知らない人だったんです」



刑事さん、だった。


名前を名乗られた覚えはあるけど、遠に忘れてしまった。


今更、思い出す気もなければ聞く気もない。



それはこの人が、私にとってどうでもいい存在だからとしか言いようがない。


あとはとても執念深いのだ。


執拗にアサヒのことを私の口から言わせたがって、ひどく鬱陶しい。



「君が見つかったのは、弟さんがご両親に借りていたうちの一つ。
聞けば、住んでいた家も転々としていたそうじゃないですか」


「そうは言っても、知らないものは知らないんですよ」