* * 「いたぁ…!!」 大好きな人の姿を認めると、その背中から思い切り抱きついた。 「え、う…わあっ!?」 突然のことに支えを忘れた彼は、咄嗟に私の体に腕を回してそのまま地面に体を打ち付けた。 勢いのまま、二人並んでごろりと寝転んだ芝生の上でこっぴどく叱られた。 ……と、いうわけではなくて。 「驚くから突然は止めて欲しい」 やんわり、アサヒに諭されていた。 優しい彼は私を怒るなどという、心を傷める行為は絶対にしない。 その代わり、私に約束をさせるのだ。 「ほら、ね」 「はあい」