帰る準備をして靴を履き替えると、声を掛けられた。


「ちーちゃん先輩っ!」


「てひっ!」


急に呼ばれてビックリしたから舌を噛んでしまった。


「あはははっ、『てひっ!』て、何ですか.....っ」


うー、何で笠原君の前でばっかり失態を....

しかもめちゃくちゃ笑ってるし....


「ちーちゃん先輩、一緒に帰りませんか?
多分先輩の家って僕のお隣だと思うですよね。」


この前ちーちゃん先輩が家から出て来るの見たんですよ、どうですか?と言ってきた。


「えっ!そうなの?気付かなかった....。
そっそそそれじゃあ一緒に帰ろ?」


「そうですね、じゃあ行きましょう!」


笠原君のその声を合図に私達は歩き出した。


「そーいえばちーちゃん先輩、朝は何してたんですか?」


「へ?あー、写真撮ってたんだよ。ほら、もう直ぐコンテストがあるから。

でも何を撮ったら良いのか分からなくて....そしたらレンズ越しに笠原君居てカッコイーー...」


はっ、しまった....。


もう直ぐで『カッコイイ』なんて言いそうだった。