「ちょっとにぃにっ!私のハンバーグちっちゃいよっ!?」


あぁ、かわいい。
何をしていても小夜はかわいい。


……なんて思う俺は重症だろうか。


いや、そう思う程俺は溺れてるんだ。
…小夜に。


「小夜、お前食いすぎだろ。」


「ち、違うもんっ!部活で疲れただけだもん!」


俺以外の男(ヤツ)と喋らないでほしい。


それは兄貴でも変わらない。
…いや、“兄弟だから”こそ嫌だ。


「今日、たしか部活なしだったよな?」


「あっ…。」


あまりにも天然すぎるだろ。
だから困る。天然なだけなら良いがこんなにも可愛いのに無自覚っていうのが一番困る。


「「「「いただきまーす。」」」」


「おいし~っ!!」


あぁ、くっそ。
かわいすぎる。
こんな小夜、兄貴たちに見せたくねぇ…。


双子だからしょうがないと思うけど見た目だけなら小夜は俺に似てる。
腰まで伸びた黒髪、ぱっちりとした大きな目、うすいグレーの瞳。


けど、性格は正反対。
小夜は自分よりも他人って感じだし。
俺は他人なんてどうでもいい。
それに小夜のモテ度は異常だからな。


学校の男子で流行ってる在校女子生徒投票?みたいなやつでも堂々の1位だし。(俺はもちろん参加してない。)


「学校で1番か…」


「ん?小羅何か言った??」


「ん。別に。」


俺はこれからもお前に溺れてくわやわだろうな。