君に刃を向けたら

自分の部屋に戻ろうとドアに向かう


「イオ」


姉に呼ばれ、振り向く


「なんでしょうか」


姉は少し俯いてこう言った


「ここを、出たい?」


ここを出る?

そんなことは、許されない

私は彼の思い通りに動く人形

私の意思は、いらない


「いいえ
そう思ったことは、1度もありません」


何が目的かは分からない

だけど、私にとってそれは最も重い罪

ここから逃げるなんて、私は望んでいない


「…そう
引き止めて悪かったわね、行きなさい」


「はい」


今度こそドアへと歩いて行き、部屋を出た

彼の匂いに包まれたあの部屋にいる時間は私にとって嫌いな時間だった